【子育て体験談】思春期の子どもの反抗に隠れている”理由”

私は子どもと関わる仕事をしている。私は子どもが大好きだ。思春期の子も私の前では素直ないい子だ。

しかし、お母さんの前では反抗的で口もきかないと相談を受けることが多い。

私は、思春期も3歳の反抗期も、相手がどれだけ自分のことを受け入れてくれているか確認しているように感じている。

どんな子もほめてもらいたい、愛されたいだけなのだ。

それなのに、誰よりも愛情を注いでくれるお母さんにだけ反抗する。

なぜ反抗するのか、本人に聞いてみた。

「自分の態度が悪いのは分かっている、お母さんを心配させていることもわかっている、でも、お母さんは私の気持ちなんか全くわかっていない。」と話してくれた。

「いやいや、お母さんは一番あなたの気持ち分かっていると思うよ。」と伝えると、「そんなことない、私の言うこと全て否定してくる。これ以上話しても傷つくだけ。」と答えた。

具体的に聞いてみると、

「成績がなかなか上がらない」と言えば、「努力が足りないから」と責められ、

「部活を辞めたい」と愚痴れば、「自分がやりたいと言ったくせに辞めるなんて許さない」等日常の会話のほとんどを否定されていた。

辛い気持ちをわかって欲しかっただけなのに、なんでも「あなたが悪い」と言われてしまう。

反抗するのも納得できた。

3歳の子も同じだ。目についたもの何でも触りたいし、それが何なのか知りたいだけなのに、なぜ触ってはいけないのか納得する前に厳しく叱られてしまうのだ。

私に反抗しない理由も聞いてみると、とても明るい笑顔で「怒らずに話を聞いてくれるから。」と。何とも単純な答えだった。

子どもは親の言う事を聞くために生まれてきた訳では無い。聞いてもらわなければ困る事は言い聞かせる必要はあるが、子どもの意思も尊重しなければいけない。勉強が上手くいかないと聞けば、助けてあげられる事はあるか話し合い、部活がしんどいなら、少し休む等、子どもがどうしたいのか探ってみることが必要だ。

この事を相談者であるお母さんに伝えた。なかなか納得できず、私の話を聞きながら、「でも、」が連発した。子どもの言い分を認めたくない様子だった。

いろいろ話すうちに、厳しくした方が頑張ってくれると思っていた、とお母さんも本音を話してくれた。厳しくされた方が頑張れる人より、褒められた方が頑張れる人の方が多いのでは?と話した。

わが子を思ってしたことが、反抗される原因になるなんて、こんなに悲しいことない。気持ちのすれ違いを少しずつ埋めてくれることを願っている。