5人に1人が「生まれつき敏感な子」
世の中には、物事に敏感な人やそうでない人がいる。
敏感な人の中でも人一倍傷つきやすく繊細な気質をハイリー(H)センシティブ(S)パーソン(P)と言うそうだ。
HSPの人は職場や家庭、いろんな場面で気疲れしやすく、ストレスから眠れなくなったり、うつ病のような症状が出ることも多いそうだ。これは生まれ持った気質で、治療法も無ければ薬もない。この気質と上手く付き合っていくしかない。
不登校の子どもの中にもこの気質を持つ子が多くみられるそうだ。
周りの気持ちに共感しすぎて疲れたり、先生の発言に深く傷ついたり、毎日心がヘトヘトになってしまうので、毎日登校するのが辛くなる。打たれ弱い訳ではない。
「”ただ”敏感なだけ」なのだ。
しかし、世間の目は打たれ弱い、我慢が足りない、という所に向いてしまう。教育関係者でも、HSPを知らない人が多い。HSPの人は生き辛さを感じているようだ。生き辛さを軽減するには周りの理解や協力が不可欠だ。
傷つきやすい=打たれ弱いではなく、傷つきやすい=敏感な子、と受け止め方を変えるだけで救われる人が沢山いるだろう。視点を変えたり、少しでも相手を思いやることで、生き辛さを減らせる社会にしたい。
敏感なことはマイナス要素ばかりではない。敏感=感受性が強い、人の気持ちがよくわかる優しい子なのだ。その優しさを壊してしまわないよう、HSPについて理解が深まるよう願うばかりだ。
敏感な子を育てるための4つのポイント
HS(Highly Sensitive)な子を育てるためにエレイン・N・アーロン著の「The Highly Sensitive Child」には4つのポイントが紹介されています。今回はその中から2つをご紹介します。
自己肯定感を育む
敏感な子はなかなか自分に自信をもてないことが多いです。しつけの影響を受けやすかったり、自分に厳しかったりして自己肯定感が低いことがあります。
自己肯定感を高めるために親ができることとして、
(1)子どもの敏感さを誇りに思う
(2)頑張ったことを喜び、具体的に褒める
(3)一緒に時を過ごす
(4)子どもの感じ方、気持ち、意見を尊重する
(5)色々な人と付き合えるサポートをする
(6)子どもが弱気になったときに、その気持ちに共感し、反対に強みに気づかせる
この6つが挙げられています。全てが急にできるわけではありませんが、一つずつ、できるところから実践することが大切だと思います。
自己否定感を取り除く
自己肯定感が低いということを先ほど説明いたしましたが、「自己肯定感が低い」ということは、「自分はできないんだ」などの感情を持っていることが考えられます。そのため、その「自分はダメだ」という思いに、押しつぶされないようにするために自己否定感を取り除くことが必要です。
自己否定感を取り除くために、「叱るのを止める」のではありません。
「どうしてちゃんとできないの」
「いつもご飯をこぼしている」
などといった、しつけの方法として自己否定感を使うことがあります。しつけはもちろん大切ですが、何気ないその言葉が傷つく原因、自己否定感を高める要因になるので、その中で使用する言葉について振り返ってみてはいかがでしょうか。
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