表に出てこない子どもの気持ちに気づき、受け入れること

9月1日。新学期が始まるこの日は、「子どもの自殺が増える日」とも言われています。学校現場はもちろん、メディアなどでも「自殺を予防」するための呼びかけや対策などがされています。

子育て体験談

夏休みの後半から、若者の自殺を予防するための呼びかけが増えている。

「死にたいほど嫌なら学校に行かなくてもいいよ」

その通りだと思う。

しかし、学校に行きたくないと言える子ばかりではない。辛くても我慢してしまう子、親に心配をかけたくないと思う子、いじめにあっているのに、自分が悪いと思い込んでいる子、表に出てこない子どもの気持ちに気付いてあげることはできるのだろうか?

兵庫県教育委員会では、ラインで子どもが相談できる、ひょうごっ子SNS悩み相談を常設すると発表した。電話相談の10倍相談件数が増えたそうだ。大人と面と向かって話し合うより、気持ちを伝えやすいのだろう。

私も子どもとよくラインで話し合っている。しかし、子どもが勇気を出して伝えてくれた事を、親や周りの大人に「それくらい」扱いされてしまったら、子どもの気持ちはどうなるだろうか。また否定されるのが嫌で正直に話さなくなり、解決出来ない現状にやる気をなくし、一人で悩み続ける。

いじめや人間関係だけでなく、勉強が辛い子どももいる。努力しないからわからないのではなく、勉強の方法がわからず、努力の仕様がない子もいる。

どんな問題も子ども一人では解決できない。

親にも何が正解かわからない問題だ。

まずは子どものありのままを受け入れ、いつも大切に思っている事を伝え、時間をかけて話し合う事が正解への近道のように私は思う。

子どもの自殺の現状

体験談でも触れられていましたが、新学期が始まる9月1日前後は子どもの自死が増える時期と言われています。近年は、夏休みが短縮されていることから9月1日ではなく、その1週間前あたりが多いという調査結果も出ています。とはいえ、2学期が始まる直前に子どもの自死が増える傾向にかわりはありません。

警察庁が発表している情報によると、5.3%の10〜19歳の子どもが自ら命を絶っていると言われています。平成21年(2009年)から比べると、その他の年齢階級では自死の割合が減っている傾向にありますが、子どもに関しては横ばいとなっています。また、主な理由も公開されていましたが、学校に関わることでは「いじめ」だけではなく、「学業不振」や「友達との不和」が自死を引き起こす一要因となっています。また、学校外に目を向けると「親子関係」や「家庭でのしつけ・叱責」による自死も見られています。

子どもたちが抱え込まないように

少しでも自分の悩みなどを誰か他人に話せるように、悩みを心の中で抱え込まないようにしていくことが大切ではないでしょうか。また、様々な団体が子どもたちが悩みを話したり、安心して過ごせたりできる居場所作りをしています。そのような悩みや相談できる場所が地域に増えることで、助かる子どももいるかもしれません。

現在、兵庫県では「子どもたちの悩み」などを相談できる窓口を設置しています。直接電話で話をしたり、直接が恥ずかしい・気が重いという子に向けてはSNS(LINE)を利用して相談を聞いたりしています。

主な相談窓口

ひょうごっ子相談24時間ホットライン(24時間子供SOSダイヤル)

電話を利用した悩み相談窓口です。24時間対応しています。

電話番号:0120-0-78310 (通話料無料・携帯電話利用可)

ひょうごっ子SNS悩み相談

LINEを利用した相談窓口です。午後5〜9時まで対応をしており、返信があります。

LINEアカウント:pda0072c を入力して友達登録

チャイルドライン

電話やウェブチャットを利用した相談窓口です。

電話:0120-99-7777 (月曜日~日曜日(毎日) 16:00-21:00)

ウェブチャット:https://childline.or.jp/chat/index.html (木曜日と金曜日隔週)