一番辛かったことは不安を一人で抱え込んだこと

子どもが不登校になったとき、お母さんやお父さんの不安から子どもを責めたり、子どもとぶつかったりすることもあると思います。そんな時に、話を聞いてもらえるような人はいますか。子どもと同じで大人も閉じこもり、溜めていくと負のループに陥ってしまうかもしれません。

体験談

先日、不登校の息子さんのことで悩んでいる方から相談を受けた。我が家にも不登校の息子がいる。2年前の自分を見ているような気持ちになった。

誰かにきいてもらいたいのに、話せる相手がいなくてとても孤独を感じているようだった。

話の内容は、先が見えない不安を子どもにぶつけてしまい喧嘩になる、子どもを追い詰めるようなことをつい言ってしまう、これを繰り返していて自分が嫌になる、というものだった。

市の教育委員会にも電話で相談したが、有効なアドバイスはなかったそうだ。

八方塞がりの中、私と話せて助かったと言ってくれた。

気の利いたアドバイスなどできないが、彼女の孤独感も不安も共感できる。それが救いになったようだ。話し合うだけでも気持ちが楽になる。

同じような経験をした人同士で話し合える場を作りたいと思った。

私が一番辛かったことは話せる相手がいなくて不安を一人で抱え込んだことだった。今も時々不安や孤独感に押しつぶされそうになることがある。

しかし、大丈夫、なんとかなるよ、と明るく人に話せたのだ。私はいつの間にか乗り越えていたのだと実感した。

不登校になる理由は人それぞれだが、辛さや不安は共有できる。子どもも親も自分の気持ちを理解してもらえてやっと一歩前進できるのだ。一歩ずつ進みながら、子どもが明るい未来を見つけるまで焦らずに見守りたいと思う。

不登校児童・生徒の現状

文部科学省「平成30年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」によると、近年不登校児童・生徒の人数は増加傾向にあります。特に、「中1ギャップ」と言われるように小学6年生から中学1年生にかけて急激に増える傾向があります。

思春期を迎え、人間関係も複雑になったり、学習が難しくなったり、授業形態が(教科担任制へと)変わったり、と様々な変化がある中学生で不登校になる子が多いようです。

国では「教育機会確保法」に基づき、学校外での教育の推進に力を入れ始め、フリースクールなどの出席を指導要録上の出席扱いにするなど少しずつ変わってきていますが、まだまだです。また、不登校の子どもや保護者の相談窓口としてスクールカウンセラー(SC)やスクールソーシャルワーカー(SSW)の配置も進めていますが、配置が不十分な地域もあります。